マイクロ波加熱を併用する乾燥

マイクロ波併用の乾燥メカニズムについて
マイクロ波併用の乾燥と熱風乾燥との違い
図1.マイクロ波併用の乾燥メカニズム
熱風乾燥との比較
図2.従来方式(熱風乾燥)との比較

熱風乾燥では乾燥品の表面から乾燥が進み、しだいに表面が硬くなって乾燥は遅れます。
※図2の黒の曲線の点線から遅れます。
この時点でマイクロ波を使い、乾燥品の内部水分を外側に押し出して水蒸気(図1.緑)とし、この水蒸気を熱風で取去り乾燥を進めます。
※図2の赤の曲線となり、短時間で乾燥は終了します。

マイクロ波紙管乾燥機

特許第4875543号

紙管乾燥機
マイクロ波が紙管を貫通する特徴を使った乾燥

熱風乾燥中の併用で、短時間で乾燥変形が全く無い紙管乾燥を実現しました

従来方式
・5~6日の自然乾燥の後で出荷
・熱風乾燥機で乾燥12時間程度で乾燥できますが、紙管が乾燥変形が生じます

導入後
・20~30分の連続乾燥で出荷
・乾燥変形は生じません

メリット

・乾燥の作業員を削減します
・自然乾燥の場所が不要です
・自然乾燥中の在庫数を削減します
 自然乾燥中の紙管数量:約20万本
 金額:20万本×250円/本=約5千万円
・不良率が低減します
 曲りや歪みが無く、不良率を約3%低減します
 ⇒ 得られる利益:約25万円/日

仕様

乾燥方法紙管を回転させながらマイクロ波を照射して乾燥する連続型
乾燥温度常温、紙管温度は最高で80℃程度
熱源電気
機種大型と小型有り。乾燥試験結果を基に設計・製作

マイクロ波帆立貝柱乾燥機

特許第4749357号

トレイ乾燥機
マイクロ波が短時間で貝柱中の水分を拡散する特徴を使った乾燥

熱風乾燥後の保管を短縮し、歩留を改善して乾燥日数を半減します
熱風乾燥後の貝柱は木箱に密閉し、2日ほど保管して貝柱の水分を均一にします
保管をおろそかにすると「ガサ玉」となって歩留や品質を損ないます

従来方式
・熱風乾燥・天日乾燥・保管を繰り返し、40~60日程度で乾燥します
・その都度貝柱を人手により、それぞれの容器に移し替えます

導入後
・熱風乾燥とマイクロ波加熱を繰り返し、20日程度で乾燥します
・貝柱は乾燥終了まで同じトレイで作業、移し替え作業は不要です

メリット

・天日乾燥や移し替え作業の作業員を削減します
・歩留の改善⇒0.25%
 歩留改善の利益(日20トン処理)
 1日:50kg×1万円/kg=50万円
 1年:100日稼動で約5千万円
・衛生的な乾燥を実現します
 工場内作業と人手に触れない作業で衛生的な乾燥を実現します


仕様]

乾燥方法帆立貝柱やモズクなどを乾燥トレイに入れ、マイクロ波を照射して乾燥する回分型の連続型
乾燥方法常温乾燥、品温を管理して乾燥
熱源電気
機種乾燥試験結果を基に設計・製作

マイクロ波モズク乾燥機

マイクロ波が水分により作用する特徴を使った乾燥

熱風乾燥の後、乾燥していない部分を短時間で完全乾燥します

従来方式
・熱風や冷風乾燥により、12時間以上で乾燥します
・目視検品で未乾燥部分(ヌメリの多い部分)を切取り廃棄します

導入後
・熱風で3時間乾燥します
・次にマイクロ波乾燥を行います
 マイクロ波は未乾燥部の水分に作用し、10分程度で完全に乾燥します

メリット

・作業員の削減(目視選別、未乾燥部の切取り)に繋がります
・乾燥コストの低減⇒乾燥時間を12時間から3時間に短縮します
 年間の乾燥コスト低減:約2千万円の節約になります
・歩留改善⇒完全乾燥で廃棄はありません
 年間の利益:6百万円
・衛生的な乾燥を実現します
 マイクロ波の殺菌効果と完全乾燥で衛生的な環境を実現します